FCTC日本語訳

この記事は、FCTCたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の(外務省による)日本語訳。それだけです。下記のリンクから見ることができるのですが、縦書き、1ページ13行のPDFで、とにかく読みづらい。そこでこの全文を横書きにしてみました。加えて段落分けを手直しし、適宜太字を施し、漢数字をアラビア数字に替え、またカッコ内の句点を省いたりしています。そのほかは全て原文のまま(の筈)ですので、ご利用いただければ幸い。「前文」は恐ろしいことに文中に一個も句点のない、とにかく読みにくいものなので、後回しにしてもいいかな、などと個人的には思います。
日本は2004年3月9日、これに署名。2005年2月27日に発効しました。

たばこ規制枠組条約

たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約

 前文
この条約の締約国は、
公衆の健康を保護する自国の権利を優先させることを決意し、
たばこによる害の広がりが公衆の健康に深刻な影響を及ぼす世界的な問題であること、また、この問題についてできる限り広範な国際協力を行うこと並びにすべての国が効果的な、適当な及び包括的な国際的対応に参加することが必要であることを認識し、
たばこの消費及びたばこの煙にさらされることが世界的規模で健康、社会、経済及び環境に及ぼす破壊的な影響についての国際社会の懸念を考慮し、
世界的規模、特に開発途上国における紙巻たばこその他たばこ製品の消費及び生産が増大していること並びにこのことが家庭、貧困層及び各国の保健制度にとって負担となっていることを深く憂慮し、
たばこの消費及びたばこの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されていること並びにたばこ製品の煙にさらされること及びたばこ製品を他の方法により使用することとたばこに関連する発病との間に時間的な隔たりがあることを認識し、
紙巻たばこ及びたばこを含む他の製品が依存を引き起こし及び維持するような高度の仕様となっていること、紙巻たばこが含む化合物の多くに及び紙巻たばこから生ずる煙に薬理活性、毒性、変異原性及び発がん性があること並びにたばこへの依存が主要な国際的な疾病の分類において一の疾患として別個に分類されていることを認識し、
出生前にたばこの煙にさらされることが児童の健康上及び発育上の条件に悪影響を及ぼすという明白な科学的証拠があることを認め、
児童及び青少年による喫煙その他の形態のたばこの消費が世界的規模で増大していること、特に喫煙の一層の低年齢化を深く憂慮し、
年少の女子その他女子による喫煙その他の形態のたばこの消費が世界的規模で増大していることを危険な事態として受け止め、並びに政策の決定及び実施のすべての段階における女子の十分な参加の必要性並びに性差に応じたたばこの規制のための戦略の必要性に留意し、
原住民による喫煙その他の形態のたばこの消費が高い水準にあることを深く憂慮し、
たばこ製品の使用を奨励することを目的とするあらゆる形態の広告、販売促進及び後援の影響を深く憂慮し
紙巻たばこその他たばこ製品のあらゆる形態の不法な取引(密輸、不法な製造及び偽造を含む)をなくするため協力して行動することが必要であることを認識し、
すべての段階におけるたばこの規制、特に開発途上国及び移行経済国における規制が現在及び将来のたばこの規制のための活動の必要性に応じた十分な資金及び技術を必要とすることを認め、
たばこの需要を減少させる戦略の成功による長期的な社会的及び経済的影響に取り組むため適当な仕組みを設ける必要性を認識し、
開発途上国及び移行経済国においてたばこの規制のためのプログラムが中期的及び長期的に引き起こす可能性のある社会的及び経済的困難に留意し、並びにこれらの国が、持続可能な開発のために策定する自国の戦略との関連において技術援助及び資金援助を必要としていることを認識し、
多くの国がたばこの規制に関して有益な活動を行っていることを認識し、また、たばこの規制に関する措置の策定における世界保健機関の指導的役割並びに国際連合の諸機関並びに他の国際的及び地域的な政府間機関の努力を称賛し、
たばこ産業と関係を有しない非政府機関及び市民社会の他の構成員(保健関係の専門職能団体、女性の団体、青少年の団体、環境に関する団体及び消費者の団体並びに学術機関及び保健機関を含む)による国内の及び国際的なたばこの規制のための努力に対する特別の貢献並びに国内の及び国際的なたばこの規制のための努力において当該非政府機関及び当該構成員の参加が極めて重要であることを強調し、
たばこの規制のための努力を阻害し又は著しく損なうたばこ産業の活動に警戒する必要性並びにたばこの規制のための努力に悪影響を与えるたばこ産業の活動について知らされる必要性を認識し、
1966年12月16日に国際連合総会が採択した経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約 第十二条において、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することが規定されていることを想起し、
世界保健機関憲章の前文において、到達し得る最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治的信念又は経済的若しくは社会的条件の差別なしに万人の有する基本的権利の一であることが規定されていることを想起し、
最新の及び関連する科学、技術及び経済の分野における考察に基礎を置くたばこの規制のための措置をと ることを促進することを決意し、
1979年12月18日に国際連合総会が採択した女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約において、同条約の締約国は保健の分野における女子に対する差別を撤廃するための適当な措置をとる ことが規定されていることを想起し、
さらに、1989年11月20日に国際連合総会が採択した児童の権利に関する条約において、同条約の締約国は児童が到達可能な最高水準の健康を享受する権利を有することを認めることが規定されていることを想起して、
次のとおり協定した

 第一部 序

 第一条 用語

 この条約の適用上、
(a)「不法な取引」とは、法令によって禁止されるあらゆる行為であって、生産、輸送、受領、保有、流通、販売又は購入に関連するもの(このような活動を促進することを意図したあらゆる行為を含む) をいう。
(b)「地域的な経済統合のための機関」とは、二以上の主権国家によって構成される機関であって、その構成国から一定の事項に関する権限(当該事項に関し構成国を拘束する決定を行う権限を含む)の委譲を受けたものをいう(注)
注)適当な場合には、「各国」、「自国」又は「国内」とは、地域的な経済統合のための機関をいう。
(c)「たばこの広告及び販売促進」とは、商業上行われるあらゆる形態による情報の伝達、奨励又は行動 であって、直接又は間接に、たばこ製品の販売若しくはたばこの使用を促進することを目的とし又はたばこ製品の販売若しくはたばこの使用を促進する効果を有し若しくは有するおそれのあるものをいう。
 (d)「たばこの規制」とは、供給、需要及び害を減少させるための一定の戦略であって、たばこ製品の消費及びたばこの煙にさらされることをなくし又は減少させることにより人々の健康を改善することを目 的とするものをいう。
(e)「たばこ産業」とは、たばこ製造業者並びにたばこ製品の卸売業者及び輸入業者をいう。
(f)「たばこ製品」とは、喫煙用、吸引用、かみ用又はかぎ用に供するために製造された製品であって、 全部又は一部が原材料としての葉たばこから成るものをいう。
(g)「たばこの後援」とは、催し、活動又は個人へのあらゆる形態の貢献であって、直接又は間接に、たばこ製品の販売若しくはたばこの使用を促進することを目的とし又はたばこ製品の販売若しくはたばこの使用を促進する効果を有し若しくは有するおそれのあるものをいう。

 第二条 この条約と他の協定及び法的文書との関係

 1 締約国は、人の健康を一層保護するため、この条約及び議定書によって求められる措置を超える措置を実施することが奨励され、また、これらのいかなる文書も、その規定と両立し、かつ、国際法に適合する 一層厳しい条件を締約国が課することを妨げるものではない。

 2 この条約及び議定書は、この条約及び議定書に関係する事項又は追加的な事項に関し、二国間又は多数国間の協定(地域的又は小地域的な協定を含む)を締結する締約国の権利にいかなる影響も及ぼすものではない。ただし、そのような協定は、この条約及び議定書に基づく義務に抵触するものであってはならない。関係締約国は、事務局を通じ、締約国会議に対しこれらの協定を通報する。

 第二部 目的、基本原則及び一般的義務

 第三条 目的

 この条約及び議定書は、たばこの使用及びたばこの煙にさらされることの広がりを継続的かつ実質的に減少させるため、締約国が自国において並びに地域的及び国際的に実施するたばこの規制のための措置についての枠組みを提供することにより、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることが健康、社会、環境及び経済に及ぼす破壊的な影響から現在及び将来の世代を保護することを目的とする。

 第四条 基本原則

 締約国は、この条約及び議定書の目的を達成し及びその規定を実施するため、特に次に掲げる原則を指針とする。
 1 すべての者は、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることがもたらす健康への影響、習慣性及び死亡の脅威について知らされるべきであり、また、たばこの煙にさらされることからすべての者を保護するため、適当な段階の政府において効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置が考慮されるべきである。
  多くの部門における包括的な措置及び協調した対応措置を自国において並びに地域的及び国際的に策定し及び支援するためには、次に掲げる事項を考慮した強い政治的な決意が必要である。
 (a)たばこの煙にさらされることからすべての者を保護するための措置をとる必要性
 (b)あらゆる形態のたばこ製品について、その使用の開始を防止し、その使用の中止を促進し及び支援し並びにその消費を減少させるための措置をとる必要性
(c)原住民の個人及び社会のニーズ及び展望と社会的及び文化的に適合するたばこの規制のための計画の作成、実施及び評価に原住民の個人及び社会が参加することを促進するための措置をとる必要性
(d)たばこの規制のための戦略を策定するに当たり、性差に応じた危険性に対応するための措置をとる必要性
 地域の文化並びに社会的、経済的、政治的及び法的な要因を考慮した、効果的なたばこの規制のためのプログラムを作成し及び実施するための国際的な協力、特に、技術及び知識の移転、資金援助並びに関連する専門知識の提供は、この条約の重要な一部である。
 すべてのたばこ製品の消費を自国において並びに地域的及び国際的に減少させるための多くの部門における包括的な措置及び対応は、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることにより疾病並びに早産による障害及び死亡が発生することを公衆衛生の原則に従って予防するために不可欠である。
 締約国が自国の管轄内で決定する責任に関する事項は、包括的なたばこの規制の重要な一部である。
 開発途上締約国及び移行経済締約国においてたばこの規制のためのプログラムの結果として生計に深刻な影響を受けるたばこの耕作者及び労働者の経済的な移行を援助するための技術援助及び資金援助の重要性については、持続可能な開発のために各国が策定する戦略との関連において認識し及び取り組むべきである。
 市民社会の参加は、この条約及び議定書の目的の達成に不可欠である。

 第五条 一般的義務

 1 締約国は、この条約及び自国が締約国である議定書に従い、多くの部門における包括的な自国の戦略、計画及びプログラムであってたばこの規制のためのものを策定し、実施し、並びに定期的に更新し及び検討する。
 このため、締約国は、その能力に応じ、次のことを行う
(a)たばこの規制のための国内における調整のための仕組み又は中央連絡先を確立し又は強化し、及びこれらに資金を供与すること。
b)たばこの消費、ニコチンによる習慣性及びたばこの煙にさらされることを防止し及び減少させるための適当な政策を策定するに当たり、効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施し、並びに、適当な場合には、他の締約国と協力すること。
 締約国は、たばこの規制に関する公衆の健康のための政策を策定し及び実施するに当たり、国内法に従い、たばこ産業の商業上及び他の既存の利益からそのような政策を擁護するために行動する。
 締約国は、この条約及び自国が締約国である議定書の実施のための措置、手続及び指針に関する提案を作成することに協力する。
 締約国は、適当な場合には、この条約及び自国が締約国である議定書の目的を達成するため、権限のある国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体と協力する。
 締約国は、利用することができる手段及び資源の範囲内で、二国間又は多数国間の資金調達のための制度を通じ、この条約の効果的な実施のための資金を調達することに協力する。

 第三部 たばこの需要の減少に関する措置

 第六条 たばこの需要を減少させるための価格及び課税に関する措置

 1 締約国は、価格及び課税に関する措置が、様々な人々、特に年少者のたばこの消費を減少させることに関する効果的及び重要な手段であることを認識する。
 各締約国は、課税政策を決定し及び確立する締約国の主権的権利を害されることなく、たばこの規制に関する自国の保健上の目的を考慮すべきであり、並びに、適当な場合には、措置を採択し又は維持すべきである。その措置には、次のことを含めることができる。
(a)たばこの消費の減少を目指す保健上の目的に寄与するため、たばこ製品に対する課税政策及び適当な場合には価格政策を実施すること。
 (b)適当な場合には、免税のたばこ製品について一の国から他の国に移動する者に対する販売又は当該者による輸入を禁止し又は制限すること。
 締約国は、第二十一条の規定に従い、締約国会議に対する定期的な報告においてたばこ製品の税率及びたばこの消費の動向を示す。

 第七条 たばこの需要を減少させるための価格に関する措置以外の措置

 締約国は、価格に関する措置以外の包括的な措置がたばこの消費を減少させることに関する効果的及び重要な手段であることを認識する。締約国は、次条から第十三条までの規定に基づく義務を履行するために必要とされる効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施し、また、適当な場合には、直接に又は権限のある国際団体を通じ、その実施のために相互に協力する。締約国会議は、これらの規定の実施のための適当な指針を提案する。

 第八条 たばこの煙にさらされることからの保護

  締約国は、たばこの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されていることを認識する。
 2 締約国は、屋内の職場、公共の輸送機関、屋内の公共の場所及び適当な場合には他の公共の場所におけるたばこの煙にさらされることからの保護を定める効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を国内法によって決定された既存の国の権限の範囲内で採択し及び実施し、並びに権限のある他の当局による当該措置の採択及び実施を積極的に促進する。

 第九条 たばこ製品の含有物に関する規制

 締約国会議は、権限のある国際団体と協議の上、たばこ製品の含有物及び排出物の試験及び測定並びに当該含有物及び排出物の規制のための指針を提案する。締約国は、権限のある国内当局が承認した場合には、当該試験及び測定並びに当該規制のための効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施する。

 第十条 たばこ製品についての情報の開示に関する規制

 締約国は、国内法に従い、たばこ製品の製造業者及び輸入業者に対したばこ製品の含有物及び排出物についての情報を政府当局へ開示するよう要求する効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施する。さらに、締約国は、たばこ製品及び当該たばこ製品から生ずる排出物の毒性を有する成分について情報を公衆に開示するための効果的な措置を採択し及び実施する。

第十一条 たばこ製品の包装及びラベル

 締約国は、この条約が自国について効力を生じた後三年以内に、その国内法に従い、次のことを確保す るため、効果的な措置を採択し及び実施する。
 (a)たばこ製品の包装及びラベルについて、虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段又はたばこ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出物について誤った印象を生ずるおそれのある手段(特定のたばこ製品が他のたばこ製品より有害性が低いとの誤った印象を直接的又は間接的に生ずる用語、形容的表示、商標、表象による表示その他の表示を含む)を用いることによってたばこ製品の販売を促進しないこと。これらの手段には、例えば、「ロー・タール」、「ライト」、「ウルトラ・ライト」又は「マイルド」の用語を含めることができる。
(b)たばこ製品の個装その他の包装並びにあらゆる外側の包装及びラベルには、たばこの使用による有害な影響を記述する健康に関する警告を付するものとし、また、他の適当な情報を含めることができること。これらの警告及び情報は、
(i)権限のある国内当局が承認する。
(ii)複数のものを組合せを替えて表示する。
(iii)大きなもの、明瞭なもの並びに視認及び判読の可能なものとする。
(iv)主たる表示面の50パーセント以上を占めるべきであり、主たる表示面の30パーセントを下回るものであってはならない。
(v)写真若しくは絵によることができ、又は写真若しくは絵を含めることができる。
 たばこ製品の個装その他の包装並びにあらゆる外側の包装及びラベルには、1 (b)に規定する警告に加え、たばこ製品の関連のある含有物及び排出物であって国内当局が定めるものについての情報を含める。
 締約国は、1 (b)及び2に規定する警告その他文字による情報をたばこ製品の個装その他の包装並びにあらゆる外側の包装及びラベルに自国の主要な一又は複数の言語で記載することを要求する。
 この条の規定の適用上、たばこ製品に関する「外側の包装及びラベル」とは、当該たばこ製品の小売販売に使用されるあらゆる包装及びラベルをいう。

 第十二条 教育、情報の伝達、訓練及び啓発

 締約国は、適当な場合にはすべての利用可能な情報の伝達のための手段を用いて、たばこの規制に関連する問題についての啓発を促進し及び強化する。このため、締約国は、次のことを促進するための効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施する。
 (a)たばこの消費及びたばこの煙にさらされることによる健康に対する危険(習慣性を含む)についての教育及び啓発のための効果的かつ包括的なプログラムへの広範な参加の機会の提供
 (b)たばこの消費及びたばこの煙にさらされることによる健康に対する危険並びに第十四条2の規定によりたばこの使用の中止及びたばこのない生活様式がもたらす利益についての啓発
c)たばこ産業に関する広範な情報であってこの条約の目的に関連するものの自国の国内法に基づく公開
d)保健に従事する者、地域社会のために働く者、社会福祉活動に従事する者、報道に従事する者、教育者、意思決定を行う者、行政官その他の関係者に対する、たばこの規制に関する効果的かつ適当な訓練又は啓発のためのプログラム
 (e)たばこの規制のための複数の部門にわたるプログラム及び戦略の策定及び実施におけるたばこ産業と関係を有しない公的な及び民間の団体並びに非政府機関の啓発及び参加
(f)たばこの生産及び消費が健康、経済及び環境に及ぼす悪影響に関する情報についての啓発及びその情報の取得の機会の提供

第十三条 たばこの広告、販売促進及び後援

 締約国は、広告、販売促進及び後援の包括的な禁止がたばこ製品の消費を減少させるであろうことを認識する。
 締約国は、自国の憲法又は憲法上の原則に従い、あらゆるたばこの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を行う。この包括的な禁止には、自国が利用し得る法的環境及び技術的手段に従うことを条件として、自国の領域から行われる国境を越える広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を含める。この点に関し、締約国は、この条約が自国について効力を生じた後五年以内に、適当な立法上、執行上、行政上又は他の措置をとり、及び第二十一条の規定に従って報告する。
 自国の憲法又は憲法上の原則のために包括的な禁止を行う状況にない締約国は、あらゆるたばこの広告、販売促進及び後援に制限を課する。この制限には、自国が利用し得る法的環境及び技術的手段に従うことを条件として、自国の領域から行われる国境を越える効果を有する広告、販売促進及び後援の制限又は包括的な禁止を含める。この点に関し、締約国は、適当な立法上、執行上、行政上又は他の適当な措置 をとり、及び第二十一条の規定に従って報告する。
 締約国は、憲法又は憲法上の原則に従い、少なくとも次のことを行う。
 (a)虚偽の、誤認させる若しくは詐欺的な手段又はたばこ製品の特性、健康への影響、危険若しくは排出 物について誤った印象を生ずるおそれのある手段を用いることによってたばこ製品の販売を促進するあ らゆる形態のたばこの広告、販売促進及び後援を禁止すること。
b)あらゆるたばこの広告並びに適当な場合にはたばこの販売促進及び後援に当たり健康に関する警告若しくは情報又は他の適当な警告若しくは情報を付することを要求すること。
(c)公衆によるたばこ製品の購入を奨励する直接又は間接の奨励措置の利用を制限すること。
(d)包括的な禁止を行っていない場合には、まだ禁止されていない広告、販売促進及び後援へのたばこ産業による支出について関連する政府当局に対し開示することを要求すること。当該政府当局は、国内法に従い、当該支出の額を公衆に開示すること及び第二十一条の規定に従い締約国会議に開示することを 決定することができる。
(e)ラジオ、テレビジョン、印刷媒体及び適当な場合には他の媒体(例えば、インターネット)におけるたばこの広告、販売促進及び後援について、五年以内に、包括的な禁止を行い、又は自国の憲法若しくは憲法上の原則のために包括的な禁止を行う状況にない締約国の場合には、制限すること
f)国際的な催し、活動又はそれらの参加者に対するたばこの後援を禁止し、又は自国の憲法若しくは憲 法上の原則のために禁止する状況にない締約国の場合には、制限すること。
 締約国は、4に規定する義務を超える措置を実施することが奨励される。
 締約国は、国境を越えて行われる広告の廃止を促進するために必要な技術及び他の手段の開発について協力する。
 特定の形態のたばこの広告、販売促進及び後援を禁止している締約国は、自国の国内法に従い、自国の領域に入る当該形態の国境を越えるたばこの広告、販売促進及び後援を禁止する主権的権利並びに自国の領域における国内の広告、販売促進及び後援について適用する制裁と同等の制裁を科する主権的権利を有する。この7の規定は、いかなる制裁をも科することができることを認め又は承認するものではない。
 締約国は、国境を越えて行われるたばこの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止のために国際的な協力を必要とする適当な措置を定める議定書の作成について検討する。

 第十四条 たばこへの依存及びたばこの使用の中止についてのたばこの需要の減少に関する措置

 1 締約国は、たばこの使用の中止及びたばこへの依存の適切な治療を促進するため、自国の事情及び優先事項を考慮に入れて科学的証拠及び最良の実例に基づく適当な、包括的及び総合的な指針を作成し及び普及させ、並びに効果的な措置をとる。
 このため、締約国は、次のことを行うよう努める。
(a)教育機関、保健施設、職場、スポーツのための場所等において、たばこの使用の中止を促進することを目的とした効果的なプログラムを立案し及び実施すること。
b)適当な場合には保健に従事する者、地域社会のために働く者及び社会福祉活動に従事する者の参加を得て、国内の保健及び教育のためのプログラム、計画及び戦略にたばこへの依存の診断及び治療並びにたばこの使用の中止に関するカウンセリング・サービスを含めること。
(c)保健施設及びリハビリテーションのための施設において、たばこへの依存についての診断、カウンセリング、予防及び治療のためのプログラムを作成すること。
(d)第二十二条の規定に基づき、たばこへの依存の治療(医薬用の製品の入手を含む)の機会を提供し 及びその治療の費用を妥当なものとすることを促進するため他の締約国と協力すること。そのような医薬用の製品及びこれを構成する物品には、適当な場合には、医薬品並びに医薬品の投与及び診断のために使用する物品を含めることができる。

 第四部 たばこの供給の減少に関する措置

 第十五条 たばこ製品の不法な取引

 締約国は、たばこ製品のあらゆる形態の不法な取引(密輸、不法な製造及び偽造を含む)をなくすること並びに小地域的、地域的及び世界的な協定に加え関連する国内法を制定し及び実施することが、たばこの規制の不可欠な要素であることを認識する。
 各締約国は、締約国がたばこ製品の原産地を決定することを支援するため、また、締約国が流通を逸脱した地点を判断すること並びにたばこ製品の移動及び合法性を監視し、記録し及び管理することを国内法及び関連する二国間又は多数国間協定に従って支援するため、たばこ製品のすべての個装その他の包装及び外側の包装に表示が確保されるよう効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施する。さらに、締約国は、次のことを行う。
 (a)自国の国内市場において販売される小売用及び卸売用のたばこ製品の個装その他の包装について、「(国、地方、地域又は連邦の構成単位の名称を挿入)においてのみ販売可能」の表示を行うこと又は 最終仕向地を示す他の効果的な表示若しくは当局が当該たばこ製品の国内市場における販売の合法性を判断することに役立つ他の効果的な表示を行うことを要求すること。
 (b)適当な場合には、流通の制度を一層保護し及び不法な取引の捜査を支援するような追跡のための実際的な制度を発展させることについて検討すること。
 締約国は、2に規定する包装上の表示が、判読の可能な形態で又は自国の主要な一若しくは複数の言語 によって行われるよう要求する。
 締約国は、たばこ製品の不法な取引をなくするため、次のことを行う。
(a)適当な場合には、国内法及び関連する適当な二国間又は多数国間協定に従い、たばこ製品の国境を越える取引(不法な取引を含む)について監視し及び資料を収集すること並びに税関当局、税務当局及び他の当局の間で情報を交換すること。
(b)たばこ製品(偽造される紙巻たばこ及び密輸される紙巻たばこを含む)の不法な取引を対象とする適当な制裁及び救済措置を伴う法令を制定し又は強化すること。
(c)すべての没収された製造用の設備並びに偽造される紙巻たばこ、密輸される紙巻たばこ及び他のたばこ製品が、実行可能な場合には環境を害しない方法を用いて破棄されること又は国内法に従い処分されることを確保するため、適当な措置をとること。
(d)自国の管轄内で課税を免除されて保管され又は流通するたばこ製品の保管及び流通を監視し、記録し及び管理するための措置を採択し及び実施すること。
(e)適当な場合には、たばこ製品の不法な取引により生じた収益の没収を可能とするための措置を採択すること。
 締約国は、適当な場合には、第二十一条の規定に従い、締約国会議への自国の定期的な報告に4(a)及び (d)の規定に従って収集された情報を全体をまとめた形式で含める。
 締約国は、たばこ製品の不法な取引をなくするため、適当な場合には、国内法に従い、国内の機関並びに関連する地域的及び国際的な政府間機関の間で捜査、訴追及び司法手続に関連する協力を促進する。たばこ製品の不法な取引と戦うため、地域及び小地域の段階における協力に重点を置く。
 締約国は、不法な取引を防止することを目的としてたばこ製品の生産及び流通を管理し又は規制するため、更にとるべき措置(適当な場合には、許可制度を含む。)を採択し及び実施するよう努める。

 第十六条 未成年者への及び未成年者による販売

 締約国は、国内法によって定める年齢又は十八歳未満の者に対するたばこ製品の販売を禁止するため、適当な段階の政府において効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施する。これらの措置には、次のことを含めることができる。
(a)たばこ製品のすべての販売者が未成年者に対するたばこの販売の禁止について明確な、かつ、目につきやすい表示を販売所の中に掲げること及び疑義のある場合にはたばこの購入者に対し成年に達していることを示す適当な証拠の提示を求めることを要求すること。
(b)店の棚への陳列等たばこ製品に直接触れることのできるあらゆる方法によるたばこ製品の販売を禁止すること。
 (c)未成年者の興味をひくたばこ製品の形をした菓子、がん具その他の物の製造及び販売を禁止すること。
(d)自国の管轄の下にあるたばこの自動販売機が未成年者によって利用されないこと及びそのような自動販売機によって未成年者に対するたばこ製品の販売が促進されないことを確保すること。
 締約国は、公衆、特に未成年者へのたばこ製品の無償の配布を禁止し又はその禁止を促進する。
 締約国は、紙巻たばこの一本ずつの販売又は未成年者にとってたばこ製品の入手の可能性を増加させるような小型の個装による販売を禁止するよう努める。
 締約国は、未成年者へのたばこ製品の販売を防止するための措置が、その効果を高めることを目的として、適当な場合には、この条約の他の規定と併せて実施されるべきであることを認識する。
 締約国は、この条約に署名し、これを批准し、受諾し、承認し若しくはこれに加入する時に又はその後 いつでも、拘束力のある書面による宣言を行うことにより、自国の管轄内におけるたばこの自動販売機の導入の禁止又は適当な場合にはたばこの自動販売機の全面的な禁止を約束することを明らかにすることが できる。寄託者は、この5の規定に従って行われた宣言をこの条約のすべての締約国に送付する。
 締約国は、1から5までに規定する義務の履行を確保するため、効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置(販売業者及び流通業者に対する制裁を含む)を採択し及び実施する。
 締約国は、適当な場合には、国内法によって定める年齢又は十八歳未満の者によるたばこ製品の販売を禁止する効果的な立法上、執行上、行政上又は他の措置を採択し及び実施すべきである。

 第十七条 経済的に実行可能な代替の活動に対する支援の提供

 締約国は、相互に並びに権限のある国際的及び地域的な政府間機関と協力して、適当な場合には、たばこの労働者及び耕作者並びに場合に応じ個々の販売業者のために経済的に実行可能な代替の活動を促進する。

第五部 環境の保護

第十八条 環境及び人の健康の保護

締約国は、この条約に基づく自国の義務を履行するに当たり、自国の領域内におけるたばこの栽培及びたばこの製造との関係において環境の保護及び環境に関連する人の健康の保護に対し妥当な考慮を払うことに 同意する。

第六部 責任に関係する問題

 第十九条 責任

 締約国は、たばこの規制のため、必要な場合には、刑事上及び民事上の責任(適当な場合には、賠償を含む)に対応するための立法上の措置をとること又は自国の既存の法律の適用を促進することを検討する。
 締約国は、第二十一条の規定に従い、締約国会議を通じて次のものを含む情報を交換するに当たり、相互に協力する。
(a)たばこ製品の消費及びたばこの煙にさらされることが及ぼす健康への影響に関する情報であって次条 3(a)の規定に基づくもの
(b)施行されている法令及び規則並びに関連する司法上の決定に関する情報
 締約国は、適当な場合及び相互に合意した場合には、自国の法令、政策及び法律上の慣行並びに適用のある既存の条約による取決めの範囲内で、この条約に適合する民事上及び刑事上の責任に関する訴訟手続について相互に援助を与える。
 この条約は、他の締約国の裁判所において当事者となる権利が存在する場合には、当該権利にいかなる影響も及ぼすものではなく又は制限も課するものではない。
 締約国会議は、可能な場合には、早い段階で、関連する国際的な場において行われている作業を考慮して、責任に関係する問題(これらの問題への適当な国際的な取組方法及びこの条の規定に基づく締約国の立法その他の活動においてその要請に応じて当該締約国を支援する適当な手段を含む)について検討することができる。

 第七部 科学的及び技術的協力並びに情報の送付

 第二十条 研究、監視及び情報の交換

 締約国は、たばこの規制の分野において、国の研究を発展させ及び促進すること並びに地域的及び国際的に研究プログラムを調整することを約束する。このため、締約国は、次のことを行う。
(a)直接に又は権限のある国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体を通じ、研究及び科学的評価の実施を開始し及びこれに協力すること。また、これらのことを行うに当たり、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることの決定要因及び影響に対処する研究並びに代替作物を特定するための研究を促進し及び奨励すること。
(b)権限のある国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体の支援を得て、たばこの規制のための活動 (研究、実施及び評価を含む)に従事するすべての者に対する訓練及び支援を促進し及び強化すること。
 締約国は、適当な場合には、たばこの消費及びたばこの煙にさらされることの規模、形態、決定要因及び影響に関する国、地域及び世界的規模の監視のためのプログラムを作成する。このため、締約国は、適当な場合には、地域的及び国際的にデータを比較し、かつ、分析することができるようにするため、たばこの監視プログラムを国、地域及び世界的規模の保健監視プログラムに統合すべきである。
 締約国は、国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体からの資金援助及び技術援助の重要性を認識する。締約国は、次のことを行うよう努める。
(a)たばこの消費並びに関連する社会的な、経済的な及び保健に関する指標についての疫学的な監視のための国内制度を漸進的に確立すること。
(b)地域的な及び世界的規模のたばこの監視並びに (a)に規定する指標に関する情報の交換に当たり、権限のある国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体(政府機関及び非政府機関を含む)と協力すること。
(c)たばこに関連する監視データの収集、分析及び提供について定める一般的な指針又は手続を作成するに当たり、世界保健機関と協力すること。
 締約国は、国内法に従い、この条約に関連する科学的、技術的、社会経済的、商業的及び法的な情報並びにたばこ産業及びたばこの栽培の業務に関する情報であって公に入手可能なものの交換を促進し及び容易にする。これらのことを行うに当たり、締約国は、開発途上締約国及び移行経済締約国の特別のニーズを考慮し並びにこれに対処する。締約国は、次のことを行うよう努める。
 (a)たばこの規制に関する法令並びに適当な場合にはその執行及び関連する司法上の決定に係る情報に関 する最新のデータベースを漸進的に確立し及び維持し、並びに地域的及び世界的なたばこの規制のためのプログラムの作成について協力すること。
(b)3 (a)の規定に従い、国内の監視プログラムからのデータを漸進的に更新し及び維持すること。
(c)たばこの生産及びたばこの製造並びにこの条約又は国内のたばこの規制のための活動に影響を与えるたばこ産業の活動に関する情報を定期的に収集し及び提供するための世界的な制度を漸進的に確立し及び維持するため、権限のある国際機関と協力すること。
 締約国は、自国が構成国となっている地域的及び国際的な政府間機関並びに資金供与機関及び開発機関において、開発途上締約国及び移行経済締約国が研究、監視及び情報の交換についての義務を履行することを支援するために技術上及び資金上の資源を事務局に提供することを促進し及び奨励するため、協力すべきである。

 第二十一条 報告及び情報の交換

 締約国は、事務局を通じ、この条約の実施について定期的な報告を締約国会議に提出する。その報告には、次の情報を含めるべきである。
(a)この条約を実施するためにとられた立法上、執行上、行政上又は他の措置に関する情報
(b)適当な場合には、この条約の実施に当たり直面した制約又は障害に関する情報及びこれらの障害を克 服するためにとられた措置に関する情報
(c)適当な場合には、たばこの規制のための活動のために提供し又は受領した資金援助及び技術援助に関する情報
(d)前条に規定する監視及び研究に関する情報
 (e)第六条3、第十三条2、第十三条3、第十三条4 (d)、第十五条5及び第十九条2に規定する情報
 すべての締約国による報告の頻度及び形式は、締約国会議が決定する。締約国は、この条約が自国について効力を生じた後二年以内に、最初の報告を行う。 締約国会議は、次条及び第二十六条の規定に従い、開発途上締約国又は移行経済締約国がこの条に規定する義務を履行するに当たりその要請に応じて当該締約国を支援するための措置について検討する。
 この条約に基づく報告及び情報の交換は、秘密及び私生活に関する国内法に従う。締約国は、相互の合意により、交換されるいかなる秘密情報も保護する。

 第二十二条 科学的、技術的及び法的な分野における協力並びに関連する専門知識の提供

 1 締約国は、直接に又は権限のある国際団体を通じ、開発途上締約国及び移行経済締約国のニーズを考慮し、この条約から生ずる義務を履行する能力を強化するために協力する。この協力は、国内のたばこの規制のための戦略、計画及びプログラムを策定し及び強化するため、相互の合意により、特に次のことを目的として技術的、科学的及び法的な専門知識並びに技術の移転を促進する。
(a)たばこの規制に関する技術、知識、技能、能力及び専門知識の開発、移転及び取得を容易にすること。
(b)特に次のことを通じてこの条約を実施することを目的として、国内のたばこの規制のための戦略、計画及びプログラムを策定し及び強化するための技術的な、科学的な、法的な及び他の専門知識を提供すること。
(i)要請に応じて、強固な立法上の基礎の整備及び技術的なプログラム(たばこの使用の開始の防止、たばこの使用の中止の促進及びたばこの煙にさらされることからの保護に関するものを含む)の作成について援助すること。
(ii)適当な場合には、経済的に実行可能な方法により経済的かつ法的に実行可能な代替の適当な生計手段を開発することについてたばこの労働者を援助すること。
(iii)適当な場合には、経済的に実行可能な方法により農作物を代替作物へ転換することについてたばこの耕作者を援助すること。
 (c)第十二条の規定に従い、適当な要員に対する適当な訓練又は啓発のためのプログラムを支援すること。
 (d)適当な場合には、たばこの規制のための戦略、計画及びプログラムのために必要な資材、機器及び物品並びに事務的な支援を提供すること。
(e)たばこの規制のための方法(ニコチンによる習慣性を包括的に治療する方法を含む)を特定すること。
 (f)適当な場合には、ニコチンによる習慣性を包括的に治療するための費用を一層妥当なものとする研究を促進すること。
 締約国会議は、第二十六条の規定に従って確保される資金上の支援によって技術的、科学的及び法的な専門知識並びに技術の移転を促進し及び容易にする。

 第八部 制度的な措置及び資金

 第二十三条 締約国会議

 この条約により、締約国会議を設置する。締約国会議の第一回会合は、この条約の効力発生の後一年以内に世界保健機関が招集する。その後の通常会合の場所及び時期は、締約国会議の第一回会合において決定する。
 締約国会議の特別会合は、締約国会議が必要と認めるとき又はいずれかの締約国から書面による要請のある場合において事務局がその要請を締約国に通報した後六箇月以内に締約国の少なくとも三分の一がその要請を支持するときに開催する。
 締約国会議は、第一回会合においてコンセンサス方式により手続規則を採択する。
 締約国会議は、コンセンサス方式により、同会議のための財政規則及び同会議が設置する補助機関の予算を規律する財政規則並びに事務局の任務の遂行を規律する財政規定を採択する。締約国会議は、通常会 合において、次の通常会合までの会計期間の予算を採択する。
 締約国会議は、この条約の実施状況を定期的に検討し及びこの条約の効果的な実施の促進のため必要な決定を行い、並びに第二十八条、第二十九条及び第三十三条の規定に従い、この条約の議定書、附属書及び改正を採択することができる。このため、締約国会議は、次のことを行う。
 (a)第二十条及び第二十一条に規定する情報の交換を促進し及び容易にすること。
 (b)第二十条に規定する研究及びデータの収集に加え、この条約の実施に関連する研究及びデータの収集のための比較可能な方法の開発及び定期的な改善を促進し及び指導すること。
 (c)適当な場合には、戦略、計画及びプログラム並びに政策、法令及び他の措置の策定、実施及び評価を促進すること。
 (d)第二十一条の規定に従って締約国が提出した報告を検討し、及びこの条約の実施状況に関する定期的な報告を採択すること。
(e)第二十六条の規定に従い、この条約の実施のための資金の調達を促進し及び容易にすること。
 (f)この条約の目的の達成のために必要な補助機関を設置すること。
(g)適当な場合には、この条約の実施を強化するための手段として、権限があり、かつ、関連する国際連合の諸機関、他の国際的及び地域的な政府間機関並びに非政府機関及び非政府団体による役務、協力及び情報の提供を要請すること。
(h)適当な場合には、この条約の実施において得られた経験に照らして、この条約の目的の達成のため、その他の措置について検討すること。
 締約国会議は、その審議へのオブザーバーの参加のための基準を定める。

 第二十四条 事務局

 締約国会議は、常設の事務局を指定し、及びその任務の遂行のための措置をとる。締約国会議は、第一回会合においてこれらのことを行うよう努める。
 この条約に基づく事務局の任務は、常設の事務局が指定され及び設置されるまでは、世界保健機関が遂行する。
 事務局は、次の任務を遂行する。
(a)締約国会議及び補助機関の会合を準備すること並びに必要に応じてこれらの会合に役務を提供すること。
 (b)この条約に従って事務局が受領した報告を送付すること。
(c)締約国(特に、開発途上締約国及び移行経済締約国)がこの条約に従って情報を取りまとめ及び送付するに当たり、その要請に応じて当該締約国に対する支援を提供すること。
 (d)締約国会議の指導の下にこの条約に基づく事務局の活動に関する報告を作成し、及びこれを締約国会議に提出すること。
 (e)締約国会議の指導の下に、権限のある国際的及び地域的な政府間機関並びに他の団体との必要な調整を行うこと。
 (f)締約国会議の指導の下に、事務局の任務の効果的な遂行のために必要な管理上又は契約上の措置をと ること。
(g)その他この条約及び議定書に定める事務局の任務並びに締約国会議が決定する任務を遂行すること。

 第二十五条 締約国会議と政府間機関との関係

 締約国会議は、この条約の目的を達成するための技術上及び資金上の協力を提供するため、資金供与機関 及び開発機関を含む権限のある国際的及び地域的な政府間機関の協力を要請することができる。

 第二十六条 資金

 締約国は、この条約の目的を達成するために資金が重要な役割を果たすことを認識する。
 締約国は、自国の計画、優先度及びプログラムに従い、この条約の目的を達成するための国内の活動に関して資金上の支援を提供する。
 締約国は、適当な場合には、開発途上締約国及び移行経済締約国が多くの部門における包括的なたばこの規制のためのプログラムを作成し及び強化するため、二国間、地域、小地域及び他の多数国間の資金の提供のための経路の利用を促進する。また、たばこの生産に代替する経済的に実行可能な活動(作物の多様化を含む)については、持続可能な開発のために各国が策定する戦略との関連において対処し及び支 援すべきである。
 関連する地域的及び国際的な政府間機関並びに資金供与機関及び開発機関に代表を派遣する締約国は、これらの機関における参加の権利を制限することなく、開発途上締約国及び移行経済締約国がこの条約に基づく義務を果たすことを支援するための資金援助をこれらの機関が提供するよう奨励する。
 締約国は、次のことに同意する。
 (a)締約国がこの条約に基づく義務を果たすことを支援するため、すべての関連する潜在的な及び既存の資金上、技術上又は他の資源であってたばこの規制のための活動に利用可能なもの(公的なものであるか民間のものであるかを問わない)は、すべての締約国、特に、開発途上締約国及び移行経済締約国のために調達され及び利用されるべきであること。
 (b)事務局は、開発途上締約国及び移行経済締約国に対し、その要請に応じて、この条約に基づく義務の履行を容易にするため利用可能な資金源について助言すること。
(c)締約国会議は、第一回会合において、事務局が行った研究及び他の関連する情報に基づき既存の及び 潜在的な援助の提供元及び制度を検討し、並びにその妥当性について検討すること。
(d)締約国会議は、必要な場合には、開発途上締約国及び移行経済締約国がこの条約の目的を達成することを援助するためにこれらの締約国に対して追加的な資金を提供することを目的として、既存の制度を強化し又は任意の世界的な基金若しくは他の適当な資金供与の制度を設立する必要性を決定するに当たり、(c)に規定する検討の結果を考慮すること。

 第九部 紛争の解決

 第二十七条 紛争の解決

 この条約の解釈又は適用に関して締約国間で紛争が生じた場合には、紛争当事国は、外交上の経路を通 じ、交渉又は当該紛争当事国が選択するその他の平和的手段(あっせん、仲介又は調停を含む)による紛争の解決に努める。あっせん、仲介又は調停によって合意に達することができなかった場合において も、紛争当事国は、紛争を解決するため引き続き努力する責任を免れない。
 国又は地域的な経済統合のための機関は、1の規定によって解決することができなかった紛争について、締約国会議がコンセンサス方式によって採択する手続による特別の仲裁裁判を義務的なものとして受け入れる旨をこの条約の批准、受諾、承認、正式確認若しくはこれへの加入の際に又はその後いつでも、 寄託者に対し書面によって宣言することができる。
 この条の規定は、議定書の締約国の間で当該議定書について準用する。ただし、当該議定書に別段の定めがある場合は、この限りでない。

 第十部 条約の発展

 第二十八条 この条約の改正

 締約国は、この条約の改正を提案することができる。当該改正は、締約国会議が検討する。
 この条約の改正は、締約国会議が採択する。この条約の改正案は、その採択が提案される会合の少なくとも六箇月前に事務局が締約国に通報する。事務局は、また、改正案をこの条約の署名国及び参考のために寄託者に通報する。
 締約国は、この条約の改正案につき、コンセンサス方式により合意に達するようあらゆる努力を払う。 コンセンサスのためのあらゆる努力にもかかわらず合意に達しない場合には、改正案は、最後の解決手段として、当該会合に出席しかつ投票する締約国の四分の三以上の多数による議決で採択する。この条の規定の適用上、出席しかつ投票する締約国とは、出席しかつ賛成票又は反対票を投ずる締約国をいう。採択された改正は、事務局が寄託者に通報するものとし、寄託者がすべての締約国に対し受諾のために送付する。
 改正の受諾書は、寄託者に寄託する。3の規定に従って採択された改正は、この条約の締約国の少なくとも三分の二の受諾書を寄託者が受領した日の後九十日目の日に、当該改正を受諾した締約国について効 力を生ずる。
 改正は、他の締約国が当該改正の受諾書を寄託者に寄託した日の後九十日目の日に当該他の締約国について効力を生ずる。

 第二十九条 この条約の附属書の採択及び改正

 この条約の附属書及びその改正は、前条に規定する手続に従い、提案し、採択し及び効力を生ずる。
 この条約の附属書は、この条約の不可分の一部を成すものとし、この条約というときは、別段の明示の定めがない限り、附属書を含めていうものとする。
 附属書は、手続的、科学的、技術的又は事務的な事項に関する表、書式その他説明的な文書に限定される。

 第十一部 最終規定

第三十条 留保

この条約には、いかなる留保も付することができない。

第三十一条 脱退

 締約国は、自国についてこの条約が効力を生じた日から二年を経過した後いつでも、寄託者に対して書 面による脱退の通告を行うことにより、この条約から脱退することができる。
 1の脱退は、寄託者が脱退の通告を受領した日から一年を経過した日又はそれよりも遅い日であって脱退の通告において指定される日に効力を生ずる。
 この条約から脱退する締約国は、自国が締約国である議定書からも脱退したものとみなす。

 第三十二条 投票権

 この条約の各締約国は、2に規定する場合を除くほか、一の票を有する。
 地域的な経済統合のための機関は、その権限の範囲内の事項について、この条約の締約国であるその構成国の数と同数の票を投ずる権利を行使する。地域的な経済統合のための機関は、その構成国が自国の投票権を行使する場合には、投票権を行使してはならない。その逆の場合も、同様とする。

 第三十三条 議定書

 締約国は、議定書を提案することができる。当該提案は、締約国会議が検討する。
 締約国会議は、この条約の議定書を採択することができる。議定書の採択に当たっては、コンセンサスに達するようあらゆる努力を払う。コンセンサスのためのあらゆる努力にもかかわらず合意に達しない場合には、議定書は、最後の解決手段として、当該会合に出席しかつ投票する締約国の四分の三以上の多数による議決で採択する。この条の規定の適用上、出席しかつ投票する締約国とは、出席しかつ賛成票又は反対票を投ずる締約国をいう。
 議定書案は、その採択が提案される会合の少なくとも六箇月前に事務局が締約国に通報する。
 この条約の締約国のみが、議定書の締約国となることができる。
 この条約の議定書は、当該議定書の締約国のみを拘束する。議定書の締約国のみが、当該議定書に専ら関連する事項について決定を行うことができる。
 議定書の効力発生の要件は、当該議定書に定める。

 第三十四条 署名

この条約は、2003年6月16日から同年6月22日まではジュネーブにある世界保健機関本部において、同年6月30日から2004年6月29日まではニューヨークにある国際連合本部において、世界保健機関の加盟国、同機関の加盟国でない国であって国際連合の加盟国であるもの及び地域的な経済統合のための機関による署名のために開放しておく。

 第三十五条 批准、受諾、承認、正式確認又は加入

 国は、この条約を批准し、受諾し若しくは承認し又はこれに加入するものとし、地域的な経済統合のための機関は、この条約を正式に確認し又はこれに加入する。この条約は、この条約の署名のための期間の終了の日の後は、加入のために開放しておく。批准書、受諾書、承認書、正式確認書又は加入書は、寄託者に寄託する。
 この条約の締約国となる地域的な経済統合のための機関であってそのいずれの構成国も締約国となっていないものは、この条約に基づくすべての義務を負う。地域的な経済統合のための機関及びその1又は2以上の構成国がこの条約の締約国である場合には、当該地域的な経済統合のための機関及びその構成国は、この条約に基づく義務の履行につきそれぞれの責任を決定する。この場合において、当該地域的な経 済統合のための機関及びその構成国は、この条約に基づく権利を同時に行使することができない。
 地域的な経済統合のための機関は、この条約の規律する事項に関するその権限の範囲をこの条約の正式 確認の関係文書又は加入書において宣言する。当該地域的な経済統合のための機関は、また、その権限の範囲の実質的な変更を寄託者に通報するものとし、寄託者は、これを締約国に通報する。

 第三十六条 効力発生

 この条約は、四十番目の批准書、受諾書、承認書、正式確認書又は加入書が寄託者に寄託された日の後 九十日目の日に効力を生ずる。
 この条約は、1に規定する効力発生のための要件を満たした後にこれを批准し、受諾し若しくは承認し 又はこれに加入する国については、当該国による批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託の日の後九十 日目の日に効力を生ずる。
 この条約は、1に規定する効力発生のための要件を満たした後に正式確認書又は加入書を寄託する地域的な経済統合のための機関については、当該地域的な経済統合のための機関による正式確認書又は加入書の寄託の日の後九十日目の日に効力を生ずる。
 地域的な経済統合のための機関によって寄託される文書は、この条の規定の適用上、当該地域的な経済統合のための機関の構成国によって寄託されたものに追加して数えてはならない。

 第三十七条 寄託者

 国際連合事務総長は、この条約並びに第二十八条、第二十九条及び第三十三条の規定に従って採択されるこの条約の改正、議定書及び附属書の寄託者とする。

第三十八条 正文

 アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とするこの条約の原本は、国際連合事務総長に寄託する。

 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。

2003年5月21日にジュネーブで作成した。

たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約

お疲れさまでした。FCTCはこの後8回の締約国会合(COP)を持ち、「実施のためのガイドライン」を作成しています(下のリンク)。こちらもご参照ください。

たばこ規制枠組条約(FCTC)の推進 | がん対策情報センター

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