敵を知ることから始めよう

 前回は出口のない話をしてしまいました。
 わざとですが。
 どっちが正しいとかの話は、あんまりしたくないね。ということです。
 それより建設的なことを考えましょう。
 我らが嫌煙社会において、僕たち平和的喫煙者がゆったり幸福にタバコを吸うためには、どうしたらいいのかな、という話です。
 その前提として、僕たちの敵、あの憎っくき「改正健康増進法」をまずはしっかりと知ることから始めなくてはいけません。

 ああゴメンなさい。平和的喫煙者にあるまじき、「敵」だの「憎っくき」だのと汚い言葉を書き連ねてしまいました。ヤニが不足しているようです。また一服してから始めましょう。

 うん。では。
 今回の「健康増進法の一部を改正する法律(平成三十年法律第78号)」の趣旨ってやつを厚生労働省が公表しています。

「基本的考え方 第1」望まない受動喫煙をなくす
「基本的考え方 第2」受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮
「基本的考え方 第3」施設の類型・場所ごとに対策を実施

 だそうですね。ハイハイ。

第1と2については、ハイハイとしか言いようのない当たり前に思えることが書いてあります。今現在僕らにとって問題なのは「タバコを吸える店がなくなった(或いは飲食店を経営してる人にとっては、店を禁煙にすることを迫られてる)」ってことなので、問題は「第3」の「施設ごとの対策」ってところになるかと。 かとは思いますが、ここでちょっと前に戻って考える。

「健康増進法」ってなんだよ? ってお話です。
 真面目な話、僕はこんな法律が日本にあることすら知りませんでした。
 平成十四年法律第百三号、だそうです。昭和の頃には「栄養改善法」という実に昭和な感じのネーミングな法律がありまして、これのリニューアルで出来たのが「健康増進法」ってことらしいです。
 さてこの第二条、「国民の責務」ってサブタイトルがつけられた第二条がすごい。僕的にはスゴい。こうなってます。

国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。

絶句します。
 大きなお世話だよ。
 てゆーかオマエは何の権利があって、憲法に保障された思想信条の自由をもつ国民の皆様に向かって、こんな命令をすることが出来るんだ?
 いやはや確かにこんな法律があるんだったら、タバコ吸いなんてもんは立派な法律違反者だよ。腰を痛めながら働いて、目を悪くしながら本を読み、ハミガキの時にウエッって言いながらタバコをやめない俺様なんてのは、非国民と罵られても返す言葉がないってもんだ。
 それにしてもおかしくないか?
 僕が法律を書くならば、恥ずかしくってこんな風には書けない。せいぜいこんな感じだろう。
「国民は凡て、健康な生活を送る権利を有し、また自らの諸権利を脅かされる場合を除き、他の健康を脅かす行為をしてはならない」
 ちょっと日本国憲法風になっちゃってますね。タバコ吸いとしては最大限に譲歩して書いたつもりなんですが、これじゃあ「国民の責務」ってサブタイトルに合わないですね。

 うんつまり要するに、日本の主権者である国民に対して、その生き方にまで命令できるオマエは一体、誰なんだ? と言いたい訳です。
 厚生労働大臣ですか?厚生労働省そのものですか?あるいはWHO?総理大臣?天皇陛下?それともこの国の「真のリーダー」様ですか?
 誰か答えてくれますか?




……いや違うんだ。
そうじゃない。
「敵を知る」ってタイトルはそういうことが言いたかったんじゃなくて、「敵は誰だ?」ってことを言いたかったんじゃなくて。
「健康増進法」を諧謔的に、つまり大げさに「敵」と言い換えて、それが実際どういう規定になってんのかをちゃんと知ろう、と考えただけなのに…。

 いやだから、そうなんですよ。(どうなんだよ?)
 こんな風に今のタバコ吸いは、ひねくれて自虐的になって攻撃的になってしまいがちだから、しまいがちだからこそ、落ち着いて一服して、前向きに考えていかなきゃなあと思って書き始めたのですよ。

 すいません反省です。
 もう一服、いや5服10服くらい必要みたいですね。仕切り直します。

ジャズの帝王=マイルス・デイビス、1985年のアルバム「You’re Under Arrest」。
オモチャのライフル持ってはしゃいで、いい歳してこのオッサンは一体なんなのでしょう。
マイケル・ジャクソンの「Human Nature」シンディ・ローパーの「Time After Time」がマジで素晴らしい。
ホントなんなのでしょう、このオッサンは。

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