この素晴らしい世界に居場所を!

幼稚園に通う子どもの頃、
僕にはものすごく、とても大嫌いな時間がありました。

「椅子取りゲーム」です。

なにが嫌かって、たかが椅子ごときに必死になることです。
必死になって友だちと奪い合うことです。
なんだかすごくすごく、プライドが傷つくのです。

しかし嫌だからって参加しないと拗ねていると思われるし、
嫌だからってずっと負け続けてると、ダメな奴だと思われてしまいます。

しょーがない。
どうしたかと言うと、わざと勝ったり負けたりしてました。

注意していれば、タイミングは掴めるし椅子の場所だって把握できます。
争うほどのことをせずに座れる位置とタイミングをキープして、
それでも争わないと座れない場合には、争わずに負ける。

それで勝率5割以上をキープしてれば、それなりにやっていける。
そんな計算高い子どもになりました。

とは言えその程度の計算は、ゴリラの子どもだって出来るらしいです。
ゴリラは集団で子育てを行います。
子ども同士でのじゃれ合いで、強い子どもは弱い子どもに対して手加減をして、酷いケガをさせないように注意する。そのように親から指導されるらしい。
僕は人間よりもゴリラに近い遺伝子を持ってるのかも知れません。


椅子取りゲームって、社会と人生の縮図ですよね。
遊びながら人間社会での生き方を学べる優れたお遊戯です。

この社会で生きることは、自分のための椅子を奪い合うこと、
それが人間社会であったなら、
そこは子どもの力の及ぶところではありません。
だけど、そこでの自分の生き方は、子どもでも自分で選べるでしょう。

果たして僕も「椅子取りゲーム」っていう優れたゲームを通じて、自分の生き方というのを学ばされてしまったのですね。
勝たない、サバイブする、でこれまで生きてきました。
で幸いにして、50を越えてまだ生き延びているわけです。


僕はタバコ吸い。
そして今は、自由にタバコを吸うことができない社会です。

街中では吸えない。家の中でも吸えない。ベランダで吸ったら訴えられる。
飲食店は禁煙が原則で、新幹線からは喫煙ルームすら消えて、
なにより数少ない喫煙ルームのほとんどには、椅子なんてない。
椅子取りゲームにもならない状況です。

僕としては一番困るのが、カフェ喫茶店で、タバコが吸えないことです。

休日はカフェや喫茶店で、本を読みコーヒーを飲んで、タバコを一服。
それが僕の習慣で、それが出来ないのが辛いのです。
座ってゆっくり、タバコが吸う、そのための椅子がないのです。

思い出すのは「椅子取りゲーム」。
幼稚園児のころには思いつかなくて、思いついたとしても実行はできなかっただろうなぁという、
友と争わず自分の席を得る方法は、実は存在します。
とても簡単に。

椅子をもういっこ持ってくる。
人数分の椅子を用意することです。

それをやっちゃあおしまいで、椅子取りゲームとして成立しませんが、
別のゲームとしては成立する。


自分でカフェをやろう、と思いました。
喫煙ができるカフェです。

改正健康増進法やら受動喫煙防止条例やら、難しいご時世ですが、
幸いにして、条件つきながら、喫煙可能なカフェを開くという選択肢は、まだ残されているのです。

そんなこと、出来るのかな?

出来ました。

「カフェ a little prayer」というお店です。
京都で7月にオープンしました。
https://www.google.com/maps/place/%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7+a+little+prayer/@35.0098736,135.7452223,17z/data=!3m1!4b1!4m6!3m5!1s0x60010704fc91fc39:0xaafaead442306eb5!8m2!3d35.0098692!4d135.7478026!16s%2Fg%2F11yhfmf9vr?entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MTEyMy4xIKXMDSoASAFQAw%3D%3D

店を開くまでは、まあ出来る。

けど、続けることは、出来るの?

タバコが吸えるカフェで、経営が成り立つのか、
「勝たない、サバイブする」なんて甘ちゃん人生を生きてきた人間に、

そんなことが出来るのかな?

まあ、そこがゲーム。
僕の言葉で言うならば、実験です。

そういう人生実験、
皆さんには見守ってもらいたい、というか、
ぜひ店の方に来てみていただきたいです。

よろしくお願いします。

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