愛と平和のために煙草を吸おう

 がしかし、僕たち喫煙者は、口角唾を飛ばしてタバコの害や悪徳を言い立てる嫌煙権主義者たちに対して、同じように口汚く相手を罵るよりも、ちょっとだけいい方法を知っているはずなのです。

 怒りのまま反論をまくしたてる前に、まずは一服。
 間をおいて心を落ち着かせて、それから物事を考える。そういう習慣を僕たちは持っているのです。

 だからまずは一服しましょう。 落ち着いて。

 目当ての店でタバコを吸えなかったせいで、僕はつい、剣呑な考えに取り憑かれちゃってました。
「世界がオレに優しくないのに、オレが優しくする意味ってあんのかな」とか。
「アメリカの黒人民権運動に倣って、SIT IN & SMOKE運動でも起こしてやろうか」とか。

 いけません。
 ゆっくり煙を吸って、吐き出して…。
 賢者タイム(下品なこと言ってスイマセン)。

 僕は思うのです。
 僕たち喫煙者は、今の嫌煙社会に、反旗をひるがえすべきじゃない。
 平和的共存者として、彼らの弾圧に無抵抗不服従でいるのがいいんじゃないかなと。
 ……いやなんかまだ、これじゃあ社会的弱者のスタンスが抜けきっていませんね。
 反抗するのがカッコいいんだって昭和の人間感覚が残ってるようです。
 落ち着いて、もう一息、煙を吐き出しましょう。

 そう、僕たち平和的喫煙者が今やるべきことは、嫌煙社会に呪詛を投げつけたり、厳しい禁煙条例を押し付ける都知事にカミソリを送ったり、国会前でデモ行進をして火炎瓶を投げたりすることではないと思うのです。
 ゆっくりタバコを吸って、笑って嫌煙社会で生きていきましょう。
 ゆっくり煙を吐いて、嫌煙者や皆んなで楽しくやっていきましょう。
 生きる工夫を考えましょう。
 この社会でゆったりタバコを吸う方法を、そんな場所を作ることを、考えるのがいいって思うのです。
 考えましょう。
 てゆーか誰か、考えてくれませんかねえ。

平和で爽やかな絵が欲しくて、これを選びました。ジャッキー・ウィルソン1973年のアルバム「Beautiful Day」です。
JACKIE WILSONはソウル・シンガーのなかで、ややマイナーな存在なんで、プッシュしていきたいですね。エルビス・プレスリーが歌真似をし、マイケル・ジャクソンがダンスのお手本としたソウル・ジャイアントの歌声を是非とも。
このアルバムは、山下達郎が絶対影響受けてるよね、という「Let’s Love Again」他、名曲目白押しですが、シカゴ・ブランズウィック時代のジャッキーのアルバムはどれも最高です。67年の「Higher and Higher」なんかは、MOTOWNの究極ともいうべき出来栄え。こちらも是非。

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