【閑話】害し害されて生きるのさ

 さて色々調べなきゃってネットを探ると、一々コメントに引っかかる。
 嫌煙世界のガンバルさんが書いた記事も読まなきゃならない。
 嫌煙世界の超ガンバリ屋さんたちのTwitterにまで目を通さなきゃならなくなる。
 なんかさあ、ホントにうんざりするんだよ。
 てゆーか、不思議でしょうがない。

 一体彼らは、自分が人に迷惑をかけずに生きていると思ってるんだろうか?
 そんな筈ないのに。
「そんなことはない。けれど私は人に迷惑をかけないよう心がけている」と言うのかなあ。

 けど、本当に?
 コロナウイルスの蔓延する世の中、「マスクをしないで電車に乗るな」と怒られる人がいたと聞いた。このニュースに「怒る方も怒る方だが、マスクを用意していない人も危機意識が足りない」とコメントした人がいたと言う。
 けど、その人がマスクを持ってないのは、君が買い占めたせいだよね? 君がマスクを買ったせいで、マスクを買えなかった人がいる。マスクがなくても仕事に行かないと食っていけないし、その人に仕事してもらわないと困る人たちがいる。彼らに迷惑をかけているのは、マスク不足になるのが明らかなのにマスクを買った、君なんだよ。

 新幹線のデッキ部分に、小さな子供を抱いて女性が立っている。彼女が席に座れずそこに立っているのは、スマートEXで自分の席を確保した君のせいなんだ。

 君は車を運転するかも知れない。君が車を走らせるその左側には歩道がない。わずかな側道を窮屈そうに、歩行者と自転車が通って、君は「危ないなあ」と思って速度を落とし、イライラしながら細い道を走る。一体イライラするような資格があるのか? なんで歩道もつくれない細い道に、しっかりと2車線が用意されてるんだ。君が車を走らせるからだ。そこに車線がなければ歩行者も自転車も余裕で行き来することができるのに、君が車を運転するせいで、彼らに迷惑をかけている。

「いやいやいや、そんな何もかも自分の責任だ、人に迷惑をかけているなんて考えてたら、生きていけないでしょ」

 君はそう言うかも知れない。一見その通りだけどそうじゃない。人に迷惑をかけないと、言うのは簡単だけど本当にそう生きるのは本当に難しいって話だ。
 僕みたいな凡人はこう思う。人に迷惑をかけずに生きるなんて、まずまず無理でしょ。
 人と関わる限り。

人は人に迷惑をかけて、かけられて生きている。かつて小沢健二は「愛し愛されて生きるのさ」と唄ったけど、その裏面として人は「害し害されて」生きている。そして愛し愛されていても相手に迷惑をかけたりするように、害し害されていてもその相手を愛しちゃいけないなんてことはない。
 だから自分も人に迷惑をかけていることを理解して、人の迷惑を許すのが、まともな人の在り方なんじゃないかって話です。大体、自分が人に迷惑をかけてるってのは気づきにくいことだからこそ、寛容って必要だと思うんだよねえ。




 …って、いやいや、いい話で終わってしまっては僕が善人だと誤解されかねない。
 憎まれ口を叩かないで喫煙者がやっていられようか。
 なのでいらん一言を。

そもそもさ、「喫煙者は生きてる資格ない」だの「ヤニカス」だのそんな言葉をネット上とは言え人に投げかけられる人間が、人に迷惑をかけたり嫌な思いをさせずに生きているなんて、僕にはとてもとても、信じられないんだけど。
 例えば横浜副流煙裁判における作田学や岡本光樹、山田義雄に斎藤実。彼らは明らかに被告人に、ひどく迷惑をかけたんじゃないのかな?

コメント

  1. こんにちは!私は昨今の「香害キャンペーン」に疑問を持っている者ですが、彼らも同様に、「あの人は臭いこの人が臭いお店が臭いお隣が臭いにおいが臭い!」と朝から晩まで騒いでいます。まるで自分が無臭であるかのように(実際自分は無臭だと自負しているようなので、「お互い様でしょ」と言っても通じません)。困ったものです。

    • 煙福亭 より:

      困ったものですよねえ。直接言うと相手もムキなるので、「自分に言われているとは限らない」記事の形であれば、読んで我に帰ってくれる場合もある…と思いたいのですが。ところで「BATON HANDERS」の記事を少しずつ読ませていただいております。私はブログも初心者で、怖くてリンクとかまだ出来ないのですが。

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